ドイツ伝統の奇祭「ファスネット」と毛皮

投稿日:2018.03.16

毛皮の付いた尻尾をつけた、道化師の仮装(ドイツ伝統の奇祭ファスネット)

毛皮原料・ファー素材販売の「ファーデザイン(FUR DESIGN)」です。今回は毛皮を使った変わったお面をかぶるドイツのとあるカーニバルに注目していきます。

カーニバルとは

日本にはない伝統文化の一つにカーニバルがあります。リオのサンバなどのカーニバルを思い浮かべる方もいるかもしれませんね。

カーニバルとは、主にキリスト(カトリック)文化のある地域を中心に行われる行事のひとつで、イースター(断食)前に、お酒・お肉・乳製品など食べ納めの祭りとして定義されているものを指します。

一方、異教徒や権力の無い底流の人々が仮面をかぶり、日頃の支配者たちからの圧力を憂さ晴らしするストレス開放の機会。ただの楽しいお祭り騒ぎではなく、皮肉を込めたお祭りだったとも言われていて、歴史の背景と共に受継がれてきた伝統行事のひとつです。(対して、プロテスタントのかたは全く祝うことは無いのだとか。)

ドイツのカーニバル「ファスネット」音楽隊

今回注目したのはドイツのカーニバル。ドイツにはカーニバルがいくつかありますが、特にマインツ、ケルンやデュッセルドルフ、ボンのカーニバルはとても有名。
近年流行している日本のハロウィンのように、仮装や山車を楽しむパレードのようなものでガイドブックなどでよく目につくドイツのカーニバルはこれらのことを指しています。

地方によってカーニバルの呼び名も異なり、「ファッシング」「ファスナハト」「ファスネット」など…行事内容も事細かに異なります。

そんなドイツのカーニバルの中でも、ドイツ南西部、黒い森周辺地域ののどかな街で行われる「ファスネット」。
「ファスネット」を調べていくと、ゲルマン人時代の伝統や文化を重んじた、毛皮と木製仮面の衝撃的な見た目を持つ装飾で人々がパレードをする奇妙な謝肉祭がありました。

毛皮の付いた木製仮面が歩く「ファスネット」とは

うさぎの毛皮の付いた魔女の使い・ラクーンの尻尾をつけた魔女・悪魔の仮装

ファスネットとは、カーニバルの地域による別名です。意味は同等ですが、催し内容は異なります。
ファスネットの起源は、断食前に傷みやすい食品を使い切る祭りとして行われていたことからきているようで、時代と共に開催意図が変化しています。

一時は時代の変化で下火になったお祭りですが、19世紀の初めに伝統の色を濃くし、再び賑やかなお祭りへと盛り上がりを見せたヒストリーを持っているのがファスネットです。

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ファスネットは地域や団体によって決められる形式があり、各々の所属するグループによって、登場人物(仮装形態)が異なります。各団体のホームページが存在しており、仮装テーマの由来など調べることができます。
古来からある登場人物は、悪魔・道化師をはじめ魔女・農民・盗賊などドイツのおとぎ話の世界観や、歴史的背景のある物語を彷彿とさせる仮装ばかり。

役割によって装飾品や持ち物が事細かに決められており、歴史の背景から読み取れる皮肉も知れば知るほど深い文化です。 仮面はほとんどが木製で、毛皮をはじめ古布や紙を使い装飾が施されています。

毛皮を装飾にした魔女と魔法使い・盗賊の仮装

このように、ファスネットは歴史に根差した数々の条件があるのです。(事前予約で登録している人や、何年以上住居しているものが条件など、地域によっては参加条件も異なります)
では、ファスネットでどのような催しものがされているのか、詳しくみていきましょう。

驚きのいたずら文化、ファスネット

毛皮の付いたファスネットの一例

ファスネットは役割によっていたずらを仕掛けるのがお決まりのようで、 古くから仮装として登場していた道化師は、手に紙吹雪や染料を隠し、通行人を襲うのが名物のひとつ。日本ではありえないことです。

その他、魔女はほうきでお尻や頭を叩いて来たり、盗賊は帽子を突然奪ってすぐに返したり、伝統のキャラクターや物語に基づいたいたずらをしてくるとか。

仮装や地域によっては子供向けにお菓子・お花を配布することもあり、ハロウィン(トリックオアトリート)と似た、お菓子をもらい歩くファスネットの文化は、子供にとっては同等の重大なお祭りかもしれないですね。

以上のことから、子供にも大人にも刺激的なお祭りであることがわかります。

地域によって開催内容は異なりますが、掛け声があり日本でいうところの「バカ」「アホ」などの楽しい罵声が飛び交う奇妙なお祭りは、歴史の背景にある皮肉を込めた掛け合いで盛り上がるこの地域だけの特殊な奇祭です。

ファスネットの一例

フィリンゲン ねこの音楽祭(ファスネット)

1872年創業の団体がはじめた、ねこの仮装をすることで話題のファスネット。
若い女性や子供は耳をかたどったふわふわの毛皮をつけ、顔はヒゲも書いてバッチリねこメイク。その他、大人は木製のねこ顔を包むように毛皮がついていたりとクリエイティブ溢れるねこに仮装した老若男女が大集合するのです。
今ではファスネットの他にもクリスマスマーケットにも出演し、多彩な活動をしているようです。

ファスネットで歩く、毛皮の尻尾をつけた木製仮面(道化師)

毛皮とファスネット

道化師は毛皮の尻尾をつけ、歩くたびに鈴が鳴り、多くの人が不気味な表情をした木製仮面に恐怖を覚えるのではないでしょうか。
この仮面の他にも冬の時期のお祭りのため、毛皮が装飾に重宝されており、防寒の役割をも担っていることがうかがえます。多くはヤギ・羊・フォックス・ラクーンなどの毛皮を使用し、ドイツの職人がひとつひとつ仮面を作り上げており、奇妙なカーニバル「ファスネット」は木工職人や毛皮職人など技術者の伝統をも継続させるドイツの遺産のひとつに思えます。

毛皮と木の仮面を付けた奇祭から学ぶこと

服飾や装飾に毛皮を使ったファスネット

勤勉で職人が多いイメージのあるドイツですが、この時期だけは羽目を外し、盛大な祝いの行事となっていることも印象深く、調べれば調べるほど面白い世界情景が浮かび上がってきました。現代の日本では考えられないユニークな文化、ファスネット。奇祭を通して、毛皮は古くから装飾に使用され、祝いの日には欠かせない服飾用素材のひとつということがわかりました。

毛皮のついた木製の仮面は、一度見たら忘れられないインパクトがあり、観る人を魅了します。

木工職人や毛皮職人と提携して、毎年奇祭を盛り上げていくそれぞれのチーム・連合組合は、何世代にもわたり受継がれ、後世に伝統や文化を残していく工夫が日々施されています。
ドイツの奇祭は、知られざる歴史のストーリーと人々の努力で成り立っていました。

今後も毛皮を使った、一風変わった伝統や文化があれば取り上げてご紹介していきます。

ファスネットのような仮面や服飾・装飾に使うための毛皮原料・ファー素材をお探しの方は、下記サイトを一度ご覧ください。お探しの素材がわからなければ、お気軽にお問合せ下さい。
以上、毛皮原料・ファー素材販売の「ファーデザイン(FUR DESIGN)」でした。

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