日本文化「行縢(むかばき)」と鹿の夏毛

投稿日:2017.04.06

鹿の夏毛

毛皮原料・ファー素材販売の「ファーデザイン(FUR DESIGN)」です。

「鹿の夏毛」が入荷いたしました。

古来では、鹿の夏毛を身に着けることは中世の武士等のたしなみであり、武士らにとって馴染みのある毛皮のひとつでした。
特に、騎馬遠行の必需品として鹿の夏皮を着用していたと言われています。
現在では、流鏑馬(やぶさめ)の装束に使用されている鹿の毛皮です。

今回、伝統ある日本の文化と毛皮の関係性を新商品の夏毛とともに紹介します。

流鏑馬(やぶさめ)とは?

流鏑馬で弓を射る様子

流鏑馬(やぶさめ)とは、馬に跨り、疾走しながら鏑矢(かぶらや)を射る競技のことを指します。
別名、「矢馳せ馬(やばせうま)」と呼ばれており、世界的にも、日本由緒ある伝統武芸の一つとして、人気が広がりつつあります。

弓馬礼法は、千年以上前の古くから日本に存在する馬術の一つで、元々は狩猟をするための技術でした。
足軽や、鉄砲を使用する時代には廃れたこともありましたが、現在では、各地域の保存会や伝統文化として神事や祭事の催し物、厄除けや誕生祈願などとして度々、流鏑馬が行われています。

行縢と尻鞘

また、鎌倉時代には狩衣(かりぎぬ)装束として、
行縢(むかばき)と呼ばれる、腰から脚部を覆う鹿の夏毛(毛皮)を着け、
尻鞘 (しりざや) と呼ぶ毛皮の袋でおおった野太刀を帯びていました。
武田流射手の正装と言われており、別名「揚装束(あげしょうぞく)」とも呼ばれています。

鹿の冬毛と夏毛の違いとは?

鹿の冬毛と夏毛

動物の毛は、季節や気候の変化に対応するよう、四季に合わせ夏毛と冬毛に生え変わります。
基本的に、冬毛は寒さをしのぐために密生した毛が生えており、冬と夏で見た目が大きく変化する動物もいます。
販売中の冬毛と対比しながら、新商品の夏毛の特長を確認しましょう。

鹿の夏毛が冬毛と異なる特徴

1.白色の斑点模様が美しい

冬毛は斑点が無く、灰褐色をしていますが、鹿の夏毛は明るいブラウンに映える白の斑点模様があります。
鹿と言えばこの斑点模様を思い浮かべる人がほとんどではないでしょうか。
鹿の子模様(近年はバンビ柄とも呼ばれる。)は、鹿の夏毛の最大の特徴です。

2.冬毛と比べ、夏毛は毛が折れにくい

冬毛は防寒の役割を担う、長い毛(ガードヘアー)が生えていますが、
夏毛は冬毛よりも毛が短く、折れにくいのが特長です。

鹿の毛皮の特長

1.皮が丈夫

皮は適度に硬く、厚みがあります。
昔の人たちが身体を守るための防具として活用していたのは、
鹿の毛皮の特性を良く知っていたと言えるのではないでしょうか。

2.汚れにくい

手で払うだけで大まかな埃が落ち、水を吸収しにくいのが特長です。
現代でいう作業着のような存在だったのかもしれません。

素材としての鹿の夏毛

鹿の夏毛の活用参考事例

今回入荷された鹿の夏毛はサラサラした手触りが気持ちよく、冬毛と比べ軽やか。
特有の鹿の子模様は、ファッション、インテリアなど、デザインに一味加えるスパイスとなるのではないでしょうか。
柄を生かして敷物やバッグ、財布や帽子など洋裁のワンポイントにも使用できます。

戦国時代の装いが好きな方の中には、流鏑馬の行縢や尻鞘を制作したいという方もいらっしゃると思います。
製作にもお勧めできるしっかりとした毛皮素材です。
毛皮素材、毛皮材料をお探しの方は、是非ファーデザインでお買い求めください。

鹿の夏毛の毛皮素材は「FURDESIGN」で購入できます。

鹿(エゾシカ)の夏毛のスキン \20,000

クマより皮が薄く、ウサギより厚い丈夫な素材。模様や色、大きさに個体差はありますが、在庫があればできる限りご希望に添える形でご用意させていただきます。

日本古来の伝統と夏の鹿毛からわかる文化

いかがでしたか?

歴史を振り返ると、厳かな日本の伝統文化で、毛皮が有効資源として活用されていることがわかりました。

伝統のみならず、現代社会においても、若い方たちの間でアニマル柄が流行していたり、毛皮は生活のたしなみとして残された”文化”の一つとも取れるのではないでしょうか。

歴史や文化の発展にも深い関りを持った資源である毛皮。
便利な世の中だからこそ、昔の文化と技術を見つめなおし、新たな発見をしていきたいものですね。

以上、毛皮原料・ファー素材の通信販売「ファーデザイン(FUR DESIGN)」でした。

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